2018年、政府は副業を解禁する方向に舵を切りました。
これを受けて、副業を解禁した企業、もとより副業を可能としていた企業、それでも副業を認めない企業など様々な状況であり、仮に就業規則で認められなくても副業を始められている方はかなりの数になっていることでしょう。
しかし、こと教員(公務員)にしてみれば、副業の話など我関せず、全くの埒外の話、といったテイではないでしょうか。
「給料が低い」「収入を増やしたい!」と思っていたとしても、「副業してもバレたらクビ」「安定しての教員(公務員)なので、リスクを取りたくない」とお思いの教員(公務員)の方々も、多いのかもしれません。
しかし、もしものことがあったら?教員もブラックと言われ、2019年度の公立教員の精神疾患による休職者は5,478人にものぼります。
毎年のようにクラス替えがあり、担当の学年・学級も変わる。同じ学校内で、隣の学級で、学級崩壊が起こってもおかしくない。事実起こっている・・・。もしかしたら、自分も同じ状況になるかも・・・一寸先は闇・・・
いつ誰がそうなっても不思議ではないですよね。とはいえ、やっぱり副業するにはリスクが。
そんな状況でも、諦めるのはまだ早いのです。
「教員(公務員)で副業しようと思うんだけど、バレない方法はないだろうか?」
「副業がバレるか調べたけど、確定申告でバレる?税金でバレる!?よく分からない!」
そんな思いをお持ちの教員(公務員)の方は、是非一読ください。
教員(公務員)の副業はバレるのか?
副業をバレないようにする方法
について解説します。
どういったロジックで副業がばれてしまうのか、しっかりと理解すれば恐れることは何もありません。
副業を始めて、安心・安全な将来に向けて一歩を踏み出しましょう。
教員の副業がバレるパターンとは?
副業バレの原因① 副業していることを話してしまう
副業バレの大きな原因の1つに、自ら副業していることを話してしまう、というパターンがあります。
- やっている副業の内容
- 副業で稼いだ金額
副業を始めたり、上手くいき出すとついつい人に話したくなってしまいます。
それが副業バレにつながってしまいます。
最近、副業初めて儲かってるの!あなたなら信頼できるし、やってみない?
なんて、「信頼している◯◯だから話す」は結局「みんなに話す」と同じ意味だと思ってもいいくらいです。
「信頼しているAさん」が信頼している、別のBさんに話してしまう可能性は否定できませんし、あなたはもうBさんの口は塞ぐことはできませんから。
どうしても人に言いたいのなら、家族だけにしておきましょう。
承認欲求を満たすだけの行為は、自らを律して回避しましょう。
副業バレの原因② 職場で副業をしてしまう
原因の2つ目は職場内で副業をしてしまうことです。
さすがに職員室のパソコンでブログを書いたり、せどり商品を探したりはしないと思いますが、スマホなら案外できてしまいます。
それから放課後の教室でも、存外自分だけの空間・時間になります。
だからと言ってやっていると、どこで誰が見ているかわかりませんからね。
最近あの先生、よく教室にこもってスマホばかりいじってるけど・・・なんかあやしい??
それなら早く家に帰って、家で集中して副業に励みましょう。
そもそも職場では副業はしないことです。
教員(公務員)は、地方公務員法第38条、地方公務員特例法第17条にて副業を制限されています。
また、地方公務員法第35条にて職務専念の義務が規定されています。
副業バレの原因③ 「住民税」の金額が大きくなる
誰にも副業のことを話さなかったとしても、職場で副業しなかったとしても、最後の関門としてバレる可能性があるのが、「住民税」です。
あれ?「所得税」じゃないの?だって副業で所得が増えるんでしょ?
そう考えが至った方、税金について詳しいかもです。
しかし教員って、そもそも「税金」の詳しいことはよくわかってない場合が多々あります。
社会科で取り扱うのにねw
そして何を隠そう、私自身もそうでした…よくわかっていませんでした。
教員(公務員)の場合、(会社員もそうですが)毎月の給与より所得税が源泉徴収されています。
つまり、仕事をすることで得る給与に対してあらかじめ一定の割合で税金を掛け、天引きされているのです。
これは教職員給与明細の一例です。所得税の欄に記載されていますよね。
副業での収入は教員での所得とは別ですよね。
ということは、副業での収入はもちろん明細にも載りませんので、税金が引かれることはない、ということなんです。
じゃあ、副業収入の税金はどうなってるの?
実は確定申告をすることで税金を納める、ということになります。
なるほど、この確定申告で副業バレしてしまうのね。確定申告しなければいい、ってこと?
いえいえ、確定申告をすること自体で、副業バレになるわけではありません。
また、副業収入が20万円を超えているのに確定申告しないと「無申告加算税」なんてペナルティを受けることになってしまいかねません。
そもそも確定申告の書類は税務署に申告するもので、職場関係には全く関わりのないところなのです。
税務署がいちいち、「そちらの◯◯さんが副業収入を得ています」と伝えるなんて面倒なことをするはずがありませんしね。
じゃあ、結局どうやって副業がバレてしまうの!?
それは、「住民税」が原因です。
「住民税」は前年の所得に対して算出されます。
また、給与総額が最も高い勤め先が、給与より住民税を天引きする、と決まっています。
そのため、所得税では本職である教員の所得に対しての税金しか見えませんが、住民税の欄には昨年の総所得として、副業での収入分まで見えてしまうのです。
副業は住民税が増えることでバレる
教員の副業がバレるのは、住民税が増えるから
学校の社会科ではキーワードとして「税金」を取り扱いますが、その詳しい摘要までは扱いません。
だからと言って、「知らなくていい」なんてことは決してありませんね。
ここでもやはり、「知っていると得をして、知らないだけで損をする」ということです。
できるだけ丁寧に解説しますので、難しいそう、ややこしい、と匙を投げずに、最後まで読んでいってください。
まずは「所得税」と「住民税」の違いについて学んでいきましょう。
納税についての知識
まずは1つの結論です。所得税で副業がバレることはありません。
これを説明するために、まずは所得税の仕組みをしっかり見ていきましょう。
所得税とは?
所得税とは、その年の1月1日から12月31日までの所得にかかる国税です。
所得税は10種類に分類できます。
しかし、副業について関係するのは以下のものですね。
配当所得 | 株の配当金、投資信託の収益分配金などの所得 |
---|---|
事業所得 | 事業(副業)から生じる所得 |
給与所得 | 給与・賞与などの所得 |
譲渡所得 | 株式の売却益など、資産の譲渡による所得 |
雑所得 | 他の9種類の所得のどれにも属さない所得(FXや仮想通貨での利益、印税や講演料など) |
税金について知ると、お金をうまく節約(節税)できますよ!
教員が毎月もらっている給与は、もちろん「給与所得」にあたります。
所得税は、その年の1月1日から12月31日までの所得にかかる税金です。
そのため、その年の所得が確定した年末時点で納めるべきですが、先ほどの給与明細の通り、毎月所得税が差し引かれています。
これは、「給与所得者は一定程度所得が予測されるので、毎月見込みで所得税を納めている」状態です。
税金の前払いとも言えますね。
これを源泉徴収と言います。
とどのつまり、これは国が我々国民から税金を取りっぱぐれのないようにした見事なシステムです笑
そして、所得税に関しては「申告納税制度」が採用されています。
その申告納税制度を利用して、「確定申告」をすることにより、「確定」した納税額を正しく「申告」することで、払いすぎた所得税を返してもらう、あるいは足りない分を支払う、ということになります。
確定申告なんてしてないよ?年末調整はしているけど・・・
はい、年末調整も「申告納税制度」の1つですね。
年末調整は、公務員や会社員は社内あるいは校内の事務担当者が代わりに計算(システムに入力)することで、申告を行っています。
しかし、年末調整ですべての税金が正しく計算されるわけではありません。
所得税額は上図のように計算されていきますが、年末調整では所得控除の1つである医療費控除は計算されません。
この控除をうまく使うためには「確定申告」が必要となります。筆者は全人類が確定申告を行うことを推奨しています笑
また、本記事のテーマである教員の副業について考える場合、以下のようになります。
難しい言葉が飛び交っておりますが、覚えることは一つです。
副業をするなら、そして20万円以上稼いだなら、確定申告しよう!これだけです!!
もし、必要であるにもかかわらず、確定申告をせずに税金を支払わなかった場合、違法行為となってしまいます。
確定申告の必要性
そもそも公務員である教員は副業禁止のはずで、2か所以上から「給与所得」をもらうことはありえないんじゃないの??
これはその通りです。2箇所以上から給与所得を得ると、勤務時間が長く給料の多い方を「主たる給与」として、そちらの方で年末調整を行うことになります。
ということは、副業を行い、おそらく教員の仕事時間以上の勤務時間になることはないでしょうが、教員の給与以上になることはあり得ます。
そうすると、勤め先で年末調整を行うことがなくなり、副業がバレてしまいます。
まあ、教員(公務員)の場合は、そもそも地方公務員法に抵触していますが。
つまり、結局はどうすればいいってこと??
本業(主たる給与)=教員(公務員)で年末調整を行い、副業において確定申告を行う形を遵守する、ということになります。
副業によって副収入を得たことにより確定申告を行う必要があったとしても、それは本業で年末調整した後の話です。
確定申告は毎年2月16日〜3月15日に行われます。(近年はコロナにより期間の延長がありましたが)
その確定申告において、過不足を補って所得税を最終的に調整することになります。
ということは、勤め先(本業)が私たちが「合計で」いくらの所得税を支払っているかなんて知る由もない、ということになります。
勤め先(本業)が見えているのは、あくまで本業内での所得に対する所得税だけなのですから。
副業がバレるのは住民税
副業をして、確定申告をしっかりしていれば、職場にバレないってことだね!
いいえ違います。ここに1つ落とし穴があるのです。住民税でバレてしまうのです。
地方税である市町村民税と都道府県民税のこと
市町村民税と都道府県民税の金額は、「所得割」と「均等割」の2つの合計で決まります。
所得割 | 前年の1月1日から12月31日までの所得の10%分 |
均等割 | 所得にかかわらず、すべての人に一律でかかる額 |
所得税との大きな違いとして、住民税は「前年の」所得に応じて算出されるということ。
つまり、所得税が前払い(あるいは都度払い)に対して、住民税は「後払い」ということになります。
ここが、「副業がバレるのは住民税」の最大のポイントになります。
住民税の決定及び納税方法
上図の通り、「前年の所得」が決定された後に住民税が計算され、その所得に対して翌年に支払いを行うことになります。
ということは、せっかく年末調整後の確定申告で、勤め先には副業での所得に対する所得税がバレなかったのに、住民税の計算では所得が合算されて、結果的に住民税が高くなり、勤め先(本業)に副業バレしてしまう、ということになります。
なんとか税金を分ける方法はないの?
あります。そして、その方法が、副業バレしない唯一の方法となります。
そもそも、住民税には2つの収め方があります。
普通徴収 | 自ら住民税を納める |
特別徴収 | 給与から天引きされる |
地方税法では、給与所得者(サラリーマンや公務員)の住民税は特別徴収と定められています。
そして、なんと給与総額が最も高い勤め先(会社)が、住民税を給与から天引きすると決まっているのです。
結果、「所得は周囲の職員とそう違わないのになぜこんなに住民税が高いの?」となって、バレてしまうのです。
そして、「給与」であれば、「必ず特別徴収となる」です。
あれ?じゃあ、「給与」じゃなければ特別徴収じゃなくてもいいってこと?
その通りです。「給与」の所得でなければ、「普通徴収」にすることが可能なのです。
教員(地方公務員)の副業がバレないようにする方法
もう一度、所得の種類を確認しましょう。
配当所得 | 株の配当金、投資信託の収益分配金などの所得 |
---|---|
事業所得 | 事業(副業)から生じる所得 |
給与所得 | 給与・賞与などの所得 |
譲渡所得 | 株式の売却益など、資産の譲渡による所得 |
雑所得 | 他の9種類の所得のどれにも属さない所得(FXや仮想通貨での利益、印税や講演料など) |
このうち、「給与所得」での副業は特別徴収によりバレてしまいます。
しかし、他の4つの所得を得る副業に関しては、普通徴収を選択することができ、副業バレしません。
しかし、そもそも「配当所得」「譲渡所得」「雑所得」に関しては教員(公務員)も副業として認められています(不動産所得も制限付きで認められている)のでここでは「事業所得」がその該当項目でしょう。
確定申告の書類、「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄で「自分で納付」にチェックを入れる。これだけです。
こうすることで、副収入の住民税は自分で納められるようになります。
勤め先は、「勤め先の給与所得に応じた住民税」を給与から天引きするだけになります。
副業はバレません。
確定申告の書類の「自分で納付」に◯をつけるだけでいいんだね!カンタン!
まとめ
教員(公務員)の副業はバレるのか?バレない方法はあるのか?について見てきました。
結論は、正しく手順を踏めばバレることはない、ということになります。
教員(地方公務員)が、アルバイトなどの給与所得を得る副業をした場合、必ずバレます。
(それ以前に、地方公務員法違反ですが)
ですが、給与所得以外を得る副業つまり事業所得であれば、確定申告で正しく手続きをすれば、まずバレません。
配当所得や譲渡所得はそもそも認められた副業ですので、そちらは心配いりません。
株や投資のみで大きな資産を作るには別種の才能が必要かもしれません。
しかし、副業で月に2万円〜の収入を得ることはそれほど才能を必要とはしません。
ブラックな生活を抜け出すために、共にがんばりましょう!
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